教員が語る「違い」知らないと怖い公立中学と私立中学のメリットとデメリット

こんにちは、現役で私立の中高一貫校で教員をしている管理人です。

現在少子化がさけばれているなかで、意外かもしれませんが私立学校は実は追い風が吹いていると言われています。

現在少子化や共働きなどの要因によって1人あたりの子どもにかけることのできるお金が増えたことが追い風といわれる理由です。

少子化によって、私立中学に通う生徒も増えてきました

かつては、私立のお受験は大都市地域でのの話しと思っていた方もいるかもしれませんが、もはや大都市部以外でもお受験は当たり前となりつつあるのです。

今回は、公立中学と私立中学に通うとどういったメリットやデメリットがあるのかをそれぞれ説明したいと思います。

(☆ちなみに好評につき個別相談も始めました。よかったら記事最後の方に紹介していますので、いつでもご相談ください☆)

【公立中学と私立中学のメリットとデメリットをまとめ】

私立中学公立中学
メリットデメリットメリットデメリット
同レベルの仲間と授業内容の適切さコストがかかるコストが抑えられる多様性の無い教育
多様性ある教育生徒の多様性に欠ける地元の多様な仲間受験の必要あり
エスカレーター進学地元のつながりが無くなる小学校でのびのびできる荒れている場合がある
伝統校だと推薦先がある受験勉強が無い
では、詳しく見ていきましょう!!

 <私立中学のメリット>

①同レベルの仲間・授業内容の適切さ

私立中学に通うメリットとしては、入試によってある程度同レベルの集団の中で勉強ができるようになるということです。

公立中学の場合クラス内に偏差値が40から70までの子がいる中で勉強をしていきます。

しかし、私立の場合は、例えば偏差値50の学校であれば50前後の生徒しか集まりません。

似通った学力集団は、普段の学校生活にも大きな影響を与えます。

例えば、偏差値の高い私立学校であればそれだけ勉強意欲のある集団ができあがります。

「勉強が当たり前」という集団の中にいれば当然勉強しますし、部活に力をいれている学校集団に入れば「部活に全力を注ぐのが当たり前」という気持ちになります。

また、同レベルの学力集団は授業内容の適切さにつながります。

例えば、公立の場合は偏差値70の子に合った授業を展開されるはずがありません。

現実としては中間である偏差値50程度の授業になるはずです。

だからこそ、現状として公立中学の場合、難関高校を目指すのであれば塾に通う必要があるのです。

しかし、例えば偏差値70程度の難関中学に入学したとしましょう。当然学校の先生は偏差値70に見合った高度な授業を展開します。

これがいわゆる授業内容の適切さになります。

余談ですが、昔、私の恩師が大学受験の際に難関大学に行く意義を説いていました。

「勉強はどんな大学でもできるが、難関大学に入るとそれだけレベルの高い集団の中で学生生活を送ることができる。それこそが一番の価値だ」と言っていました。

教員となった今ではとても共感する言葉でもあります。

②多様性ある教育

公立と違って私立学校は当然、生徒を獲得しなくては経営が破綻してしまいます。

なので、公立との差別化を図るために、多様性ある教育活動を展開している場合がほとんどです。

例えば、大学進学に向けた取り組みをやっている学校、大学進学よりも英語を力をいれている学校、留学プログラムがある学校、部活動に全力を捧げる学校、本当に様々です。

ですので、学校でどういった教育活動があるのかはしっかりと確認するようにしましょう。

多様性のある教育は、大学にとっても魅力的にうつります。

なぜなら、特徴があればあるほど、その大学に合った人材をとりやすいからです。

それはつまり、大学入試(特に指定校推薦など)において有利に働く場合が多いのです。

私立中学の場合、あなた自身がどのような教育を求めているか、そしてそのニーズをかなえてくれる学校探しが大切となります。

③エスカレーター進学

中高一貫校の話しにはなりますが、一貫校に進めば当然高校受験の必要がありません

最近は内部進学数を増やすために内部試験を一切設けずに進学できる場合も増えています。

また、大学の附属校であれば、大学までの進学の心配がなくなります。

当然「気持ちの余裕」が生まれ、受験前のピリピリムードを感じることがなくなります。

これは意外と大切なことで、受験の雰囲気やプレッシャーに耐えられないという保護者が中高一貫の学校に子どもを入学させるケースも多いのです。

また、コスト面でもメリットがあると思います。

というのも、この先の高校受験、大学受験の際に必要な塾代金が必要なくなるからです

④伝統校だと推薦先がある

大学の附属でない中高一貫校の場合、大学進学の際は受験する必要があります。

しかし、私立学校で伝統校であればある程度のパイプは持っているはずです。

ぜひ各学校に問い合わせてみるか、学校案内パンフレットなどに記載されている合格実績を確認してみましょう。

<私立中学のデメリット>

①コストがかかる

これは最大の欠点かもしれません。

学費だけでなく交通費や場合によっては受験に向けた塾の費用も考えなければいけません。

ただ、国で助成金が出る場合や奨学金制度もあるのでぜひ検討してみてください。

また、子どもが優秀であれば特待生制度などもあります。

②生徒の多様性に欠ける

先ほど、メリットとして「同レベルの仲間」ということを説明しました。

しかし、一方で、「生徒の多様性に欠ける」という問題もあります。

例えば偏差値50程度の私立学校であれば、偏差値70越えの優秀生徒はいません。

なので、日常生活でそういった優秀な生徒と関わる機会がありません。

優秀な人はどういった勉強をしているのか、どういった考えを持つのか、ということは感じることができません。

また、偏差値70程度の進学校であれば、いわゆるやんちゃな子はいません。

子ども達も将来大人になり、社会集団の中で働きながら生活していかなくてはいけません。

当然、自分とは大きく違う人とも関わっていく必要があります。

そうした中で色々な人への免疫を育てるという面では私立は劣っていると思います。

③地元のつながりが無くなる

私立中学の出身の場合、成人式に参加しない人や地元の同窓会などに呼ばれないことは多々あります。

もちろん私立中学でのつながりは生まれますが、地元でのつながりは間違いなく薄くなるでしょう。

もし、小学校生活において友人関係がとても良好であるのならば、もしかしたら一生物の友達を失うことになるかもしれないというのは念頭に置きましょう。

④受験勉強が無い

さきほどメリットとして「エスカレーター進学」について言いました。

逆に言うと、受験勉強が無いため特に中学3年生の段階で他の公立校の生徒に一気で差をつけられます

「小学校の時に受験勉強したから」とよく私立に通う子ども達は言いますが、勉強の難易度が違う以上、難易度の難しい高校受験に力をいれた方が当然学力は結果的に蓄積される事は言うまでもありません。

特に、偏差値の高くない私立学校に進学する場合、子ども達の勉強意欲は皆無です。

加えて、一貫校ならば、間違いなく勉強しないでしょう。

この状態で大学受験を迎えた場合、どうなるのかは予想に易しいと思います。この点は良く考えておく必要があるでしょう。

<公立中学のメリット>

①コストが抑えられる

当然、私立学校に通わなければコストが抑えられます

また、授業料を抑える代わりに塾などで手厚くフォローするのも一つの選択肢です。

例えば、塾で勉強面に特化するのもよし、習い事などに特化するのもよし、です。

何にお金を投資したいのかはよく考える必要があるでしょう。

②地元の多様な仲間

中学では体育祭といった学校行事や部活動で関係を親密にしていく場合が多いです。

そして、家が近いため、休日は友人と遊びにいく場合も多いでしょう。

しかし、私立の場合、家が遠くなかなか集まらないということも多いです。

特に、中学生は行動範囲が広い訳ではないのでなおさらでしょう。

公立の場合は「地元意識」が強くなる傾向にあります。

また、公立のように、頭が良い子もいればやんちゃな子もいるという多様な集団の中で生活することは上手く生きるコツを学ぶことにつながると個人的には思います。

③小学校でのびのびできる

中学受験をする場合、遅くとも小学6年生の1年間は塾などに通い、ほとんど友達と遊ぶ時間はありません。

周りはのびのびと楽しく遊んでいる中、自分は勉強しなくてはいけないという孤独感は感じるでしょう。

発達段階の観点としても小学校では「遊ぶこと」は社会性や脳の発達において重要です。

さらには、そもそも放課後に楽しく遊べるのは小学校以降はありません。

私立の場合は小学校生活の貴重な時間を捧げなくてはいけないということは重々考えるべきポイントでしょう。

<公立中学のデメリット>

①多様性の無い教育

何かと叩かれるのが公立の先生のさだめです。なので、教育活動にも慎重なのが実情です。

しかし私立の場合は多様な教育活動が評価されるため、例えば、私立であれば宿泊学習や校外学習、合宿などは結構簡単に行われます。

公立では「安全面」「なにかあったらどうする?」、色々なことがつきまとい、なかなか思い切った教育活動ができません。

経験談を言うと、昔、研修会で県外に出張に行ったときのことです。

私立学校教員の私は出張の際に簡単な手続きで研修会に参加しました。しかし、公立の先生はその研修会に参加するために、「交通手段の時刻表」の提出といった計40枚ほどの書類を教育委員会に提出しなくてはいけず、1年ほどかけてここに来たとおっしゃっていました。公立の場合はそういった雑務が異常にあります。

それによって、本来やりたい教育活動に支障がでているのは言うまでもありません。

教員の雑務は間違いなく私立の方が少なく、それが良い意味で子ども達のために時間が割かれている印象です。

②受験の必要あり

ある意味メリットでもありデメリットでもありますが、高校進学のためには受験は避けて通れません。

その際にかかる塾の費用といったコスト面、受験生のストレスは覚悟しなくてはなりません。

③荒れている場合がある

私立中学を受験する理由でよく挙がるのが「地元の中学が荒れているから」です。

評判だけではなかなか判断がつかないと思うので、実際に学校がどういった状況なのかは文化祭や体育祭を観に行くなどして確認すると良いでしょう。

今回は教員目線での公立中学と私立中学の違いを紹介しました。

もし、質問などがあればいつでもコメントをください。

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この記事を書いた人

【経歴】
大学院修了後、日本のとある中高一貫私立学校にて勤務中!!
小中高の教員免許及び国際バカロレアの教員免許を所持。大学時代には言語教育、大学院時代には帰国子女や海外の日本人学校の研究をしました!
もうすぐ30歳!!1歳の息子を子育て中です!!

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