今回は現役教員として、子供を極力不登校にさせない方が絶対にいい理由を紹介していきたいと思います。
正直、子供を不登校にしたい親なんていませんよね。
そんなこと当たり前なのですが、それでも、不登校になった場合の難点をしっかりと理解しておくことで、何か対策をとれると思います。
ぜひ、現実としてどんなことが起こるのかを一緒に考えていきましょう。
子供を不登校にさせない方が良い理由は大きく2つです。
それは、①学力の低下、②社会性の欠如、です。
先ほど、「当たり前なのですが、それでも、不登校になった場合の難点をしっかりと理解しておくことで、何か対策をとれる」ということを申し上げましたが、
もし、「学力の低下」と「社会性の欠如」を補うことができれば、不登校であっても大丈夫なのです。(ただ、この2つを補うのがものすごく難しいのですが…。)
それぞれ以下に説明していきます。
不登校になると、登校している同級生とは1日あたり7時間ほどの学習差が生まれます。
その差は1週間にして35時間、1ヶ月で140時間です。
この時間をフォローするためにはどうしたら良いのでしょうか。
まず、自習でどうにかしようとする家庭もありますが、学校では常に新しい単元を教えられます。全く知らなかったことを自分で勉強して理解する力があれば良いのですが、多くの場合そういうことができるのはそもそも小中高と基礎力を培った早くても大学生、といったところでしょう。
つまり、自習は現実的ではありません。
では、誰かがサポートできれば良いのですが、親が1日7時間もつきっきりで勉強を教えることができるなら問題ありませんが、多くの場合、不可能でしょう。
そうなると、塾や家庭教師などに頼る手段が浮かびますが、その場合月々数十万以上のコストがかかり、現実的ではありません。
しかも、残酷なことに、どんなに頑張ってこうした対策をしても、やっと同級生と同じぐらいの勉強時間にしかならないのです。
大人になればなるほど、交友関係は居心地の良い人と、になっていきますよね。
これはプライベートでは全く問題ないのですが、将来、仕事をするのであれば「嫌な人」ともそれなりにやっていかなくてはいけません。
学校生活ではクラス単位で様々な活動が行われています。
クラスの中には「嫌な奴」「距離を置きたい奴」、いろいろといることでしょう。
しかし、そうはいいつつも最低限関わりを持ちながら日々生活をしていくのが学校です。
ある意味、こうした自分には合わない人と関わりをもつ練習ができる唯一の機会が学校なのです。
もし、この機会を失った場合、次は大人社会という本番一発勝負ということになります。そこで成功すれば問題ありませんが、もし挫折した場合、今度は生計を立てる手段を失うことにもなりかねません。
さらには、不登校になると外部との関わりが希薄となっていきます。その場合、社会での「常識」が何なのか、わからなくなっていくのです。
学校生活では、色々な人との関わりによって、「これはある程度の人に受け入れてもらえる行為」「これは多くの人に嫌われる行為」などと経験的に分類付けをしていきます。
これは感覚的なものであり、本などで学ぶことができるものではありません。
この「常識」は通常であれば高校卒業までにはある程度完成するのですが、不登校となって外部との関わりがないとそうもいきません。
結局、「常識」がわからず、他の人と距離を置く将来につながってしまうのです。
今回は、現役教員として子供を極力不登校にさせない方が良い理由を紹介していきました。
これを読んで、恐怖に思った方もいるかもしれませんが、これが現実です。
ただ、不登校の数は現在増加傾向であり、稀なケースではなくなってきています。
悲観せず、それぞれの子供にあった教育を探してあげることが保護者としてできることなのではないか、と私は思います。
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