今日は、日本人学校のメリットとデメリットを丁寧に解説します
ちなみに、私は現在、日本のとある私立学校にて教員をしています。
実は、帰国子女を積極的に受け入れている学校ということもあり、海外での学校選びは現場としての知見や経験がたくさんあります。
また、そもそも、大学院時代では帰国子女を専門で研究をしてきたため、様々な人が行った研究としてデータなどもたくさん見てきました。
なので、様々なことを考えた上でのメリットとデメリットを説明していきたいと思っています。
ちなみに、そもそもですが、世界にある日本人学校において、とある傾向があります。
それは、発展途上国のほうが日本人学校が多い
ということ。
アメリカなどにはたくさんの日本人がいますが、日本人学校の数はそこまで多くありません。
それはなぜでしょう?
理由は簡単で、
英語を習わせたいから
です。
つまり、英語を学べる国であれば基本的に現地校を選ぶ傾向にあるため日本人学校の需要が少ないのです。
そもそも、日本人学校は、公立ではなく私立です。
つまり、学費がかかります。
なぜなら、日本人学校は、現地の日本人駐在員が要請を出して初めて作られるものだからです。(簡単にいうと、ですが…)
現地校に通わせたいと思う英語圏の日本人駐在委員は日本人学校をつくる要請が少ないため、あまりないのです。
一方で、発展途上国では、治安の関係上、日本人学校を作りたいという強い要請があります。
そのため、1校の全校生徒が10人なんてこともある日本人学校も実は存在するのです。
日本人学校の最大のメリットは「日本の教育を受けられる」こと!!
日本人学校に通う場合、最大のメリットは日本の教育を受けられる、ということです。
そして日本の教育を受けられるということは、
帰国後にすんなり日本の学校の勉強についていくことができる
ということなのです。
海外の現地校やインターナショナルスクールに通う場合、
日本でのカリキュラムはストップします。
つまり、日本の国語や日本の社会についての授業はもちろんありませんし、
数学や理科なのの科目も当然勉強する範囲が異なります。
そのため、帰国後に苦戦する子どもが多々いるのです。
しかし、日本人学校でおこなわれる授業は日本国内と同じカリキュラムになります。
そのため、海外という土地であっても日本国内と同等の授業をうけることができるのです。
日本人学校のメリット②日本語力の維持
家庭内言語が日本語なんだから、当然子どもは日本語を話すことができるようになる、というのは大間違いです。
子ども時代は脳の言語吸収力が大人に比べて格段に高い状態です。
もちろんその時に英語を学ぶことで、英語力は格段に向上します。
しかし、一方で、日本語力は維持するのが難しくなるのです。
近年、帰国子女の増加によってある一つの課題がみえてきました。
それが、日本語力の低下です。
実際に現場にいる身ですが、純日本人で小学校の間の数年を現地校で過ごした子どもが、日本語のイントネーションなどで違和感を感じることが多々あります。
実は特に小学校の時期に受ける言語教育は良くも悪くも一生ものの影響を受けるのだということは考えるべきでしょう。
日本人学校のメリット③治安
前書きで日本人学校の設立された意味をお教えしましたが(読んでいない場合はもどってください…。)、やはり治安面では日本人学校は安全です。
基本的にはバスでの送迎がありますし、警備員も必ずと言ってたくさんつきます。
海外という土地柄、かなり神経質に安全面を気をつけているのは日本人学校の特徴でもあります。
日本人学校のメリット④柔軟性
日本人学校に通った子どもの特徴として、柔軟性が高いという研究結果があります。
日本人学校はそもそも、帰国を前提とした一時駐在員を前提としています。
そのため転入転校で子どもの入れ替えが激しいのです。
そういった中で日々生活するため、初めて関わる人でも柔軟に関わることができる能力が高いのです。
日本人学校のデメリット①海外という特色をいかせない
やはり日本人学校はあくまで日本の教育が展開されるため、海外ならではの教育はなかなかうけることができません。
ただ、せっかくの海外という立地なので、それを活かそうという教育活動は行われてはいます。
例えば、マレーシア日本人学校では、マレーシアの教員による英語教育が小学校の低学年から行われています。
他にも現地校との国際交流はどの学校も行っているでしょう。
ただ、それでも、毎日ではありません。
一定の効果はあると思いますが、爆発的な効果は期待できないでしょう。
日本人学校のデメリット②コスト
日本人学校はあくまで私立学校の扱いです。
つまり、学費がかかります。
現地校や場合によってはインターナショナルスクールよりも高い学費がかかる場合があります。
日本人学校のデメリット③親友はできづらい
日本人学校はそもそも、帰国を前提とした一時駐在員を前提としています。
そのため転入転校で子どもの入れ替えが激しいのです。
せっかく仲良くなった友達もすぐにいなくなってしまいます。
それはある意味、「どうせ友達がいなくなるし」ということで深い関わりをあきらめる、ということにもつながってしまいます。
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