全国いじめ問題子供サミットの内容を詳しく解説

今日は先日行われた「全国いじめ問題子供サミット」を紹介していきたいと思います。

2025年1月25日、文部科学省にて開催された「全国いじめ問題子供サミット」。このイベントには、全国から集まった約150名の小中学生が参加し、いじめ問題に対する意識を高めるとともに、その解決策について話し合いました。

今日のホームルームでは、その内容を共有したいと思います。


どんな人が参加したの?どこで開催したの?

このサミットには、全国から公募で選ばれた小学生・中学生約150名が参加しました。

開催場所は、東京都千代田区にある文部科学省の会議室です。大人と子供が共に学び合う場として、厳かな雰囲気の中で進行しました。

基調講演:なだぎ武さんが語るいじめ体験

今回のサミットでは、お笑い芸人のなだぎ武さんが特別ゲストとして登壇。なだぎさんは、自分が学生時代にいじめを受けた体験を詳しく語り、子どもたちにいじめを乗り越えるためのメッセージを送りました。

お笑い芸人のなだぎ武さんは、中学1年生の頃、深刻ないじめを経験しました。当時、体型が変化してきたことで、同級生から「デブ」とからかわれるようになり、そこからいじめがエスカレートしていったといいます。いじめの内容は多岐にわたり、無視や陰口といった精神的なものだけでなく、身体的な嫌がらせも含まれていました。

例えば、学校では彼の持ち物が頻繁に隠され、見つからないことが続いたそうです。また、お弁当を開けると中に砂が入れられていることもありました。さらには、掃除時間中にホウキで殴られるといった暴力や、トイレの便器に顔を押し付けられて水を流されるという屈辱的な行為まで受けていたといいます。

みなさんは、こんな状態のなだきさんを救ったのは何だったと思いますか?

これらのいじめの影響で、なだぎさんは深い孤独感と無力感を抱え、誰にも相談できない状況に陥りました。その結果、高校進学を断念し、一時は引きこもりの生活を送るようになりました。しかし、耐えきれなくなったある日、彼は母親にいじめの事実を打ち明けました。母親はその話を真摯に受け止め、学校や関係者と連携をとるよう動き、徐々にいじめが収束していきました。

この経験から、なだぎさんは「一人で抱え込まず、信頼できる人に相談することが重要だ」と感じたと語っています。そして、いじめを受けている人たちに向けて、「どんな些細なことでもいいので、誰かに助けを求める一歩を踏み出してほしい」とメッセージを送っています。

いじめが起こる原因は何か?

では参加者たちはいじめの原因をどのように捉えていると思いますか?

参加者たちは、いじめが起こる主な原因について意見を交わしました

多くの人が指摘したのは、他人を見下したり、自分を優位に立たせたいという心理が背景にあるという点です。また、日本の社会や文化には、人と違う部分をからかう風潮が根付いていることが、いじめを助長している可能性があるという意見もありました。さらに、現代の子供たちにとって、SNSは大きないじめの温床となっています。

SNS上で悪口が広がったり、小さな誤解がエスカレートすることで、現実のトラブルに発展するケースが多いことが指摘されました。子供たちは特に「SNSの利用がいじめの原因になりやすい」と懸念を表明し、インターネットでのやり取りがいじめの発端となる現状を共有しました。

教員としてはどう思うか?


ここからは少し教員としてこの「いじめ」をどう捉えているか、を語ってみましょう。

正論ではなく、等身大で話すのが私は大事だと思っています。

ここからはご自身で語っていただいて構いません。

個人的なことを以下に綴っていきますね。

私はよく、「いじめは人間の生物学的な本能だ」と子供たちに伝えています

生き物は生きるために自分が強者でいなくてはいけません

なぜなら、「生きるため」には強者でいるほうが良いからです。

生物学的には「個体差」がそれぞれあります。それぞれに能力の差がある限り、少しでも相手よりも「強者」でいようとするのはとても普通なことだと思います。

弱者でも生きられるのは正直人間だけ、です。生物界ではむしろそれでも生きられるのは異常な存在だと思います。

それが人間です。

もしあなたが人間ではない動物なら、強さがなかったら普通に群れから外されます

一匹として孤立して餓死するなんて普通ですよね。

ですが、人間はそういう人でも生きていける、そんな異常な社会なのです。

もちろん私はいじめは全く持って容認しません

しかし、いじめは生物学的本能、それは心から思っています

そして、人間はそれを超える素晴らしいスキルを持っています

それが、理性です

つまり、本能を抑えて、社会を成り立たせる「理性」を持っているのです。

言い換えれば、理性がない人は人間社会から排除されます。

ここで言いたいのは、「いじめをしたい」という気持ちをもつこと自体は悪ではないということ。

自分より優れた人を攻撃したい、自分よりも弱者を作りたい、のは、むしろそれは生物的にはとても普通なことなのです

しかし、それを抑えられるのが理性であり、人間なのです

じつはこの話をするときに「さかなくん」のエピソードをよくします

さかなクンは、魚たちの行動を観察する中で、人間社会の「いじめ」に似たことが魚の世界でも起きると気づきました。

たとえば、メジナという魚は広い海で泳いでいるとき、たくさんの仲間と一緒に群れを作って平和に暮らしています。広い海では食べ物もたくさんあり、自由に泳ぎ回れるため、魚たちはお互いを攻撃したりする必要がありません。しかし、このメジナを狭い水槽に移すと、状況が一変します。水槽の中では、魚たちが自由に泳ぐスペースが限られているため、動き回る場所や食べ物をめぐって緊張感が生まれます。その結果、メジナたちは仲間同士で争いを始め、特定の一匹を攻撃するようになります。このとき、攻撃される魚は弱っていき、さらに仲間からの攻撃がエスカレートするという悪循環に陥ります。もし、その攻撃されている魚を水槽から出して別の場所に移すと、攻撃されていた魚は安全になります。しかし、驚くべきことに、残ったメジナたちはまた別のターゲットを見つけて攻撃を繰り返すのです。この行動は、狭い環境に閉じ込められた魚たちが、ストレスや不安を発散するために起こしていると考えられます。さかなクンは、こうした魚たちのいじめが広い自然環境ではほとんど見られないことを指摘し、狭い水槽のようなストレスの多い環境がいじめを引き起こす原因になっていると説明しています。そして、この現象を人間社会に置き換えると、限られた環境や人間関係の中で、同じようなことが起きやすいのではないかと考えたのです。

教員だって正直子供の頃に「いじめ」を目の前にしたはず

その際に、どう思ったのか、どう行動できたのか、ぜひ等身大で話をしてみてください。

私は少なくとも誇れるような行動はできたことがありません

でも、少なくとも子供たちには「理性」はもってほしい、と常々おもっています

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