今日はジグソー法を授業に使えるように紹介していきたいと思います。
個人的にはすごく使い勝手が良い授業手法だと思っているのでこのあたりも含めて説明させていただきますね。
皆さんの授業手法の選択肢の1つにぜひ参考にしてください。
ジグソー法とは?
ジグソー法とは、協調学習の手法の一つで、1970年代にアメリカの心理学者エリオット・アロンソンによって開発されました。
この方法は、簡単に言えば、学習者をいくつかの小グループに分け、各メンバーが異なる内容を学習した後に集まって情報を共有し合うことで、全体の理解を深めることを目的としています。
まるでジグソーパズルのピースを組み合わせるように、個々の知識を集約しながら学びを深めるため、「ジグソー法」と呼ばれています。
ジグソー法の具体的な実施方法
一般的に、ジグソー法は、以下の手順で進められます。
1,グループ分け:学習者を4〜6人程度のグループに分ける
2,テーマの分担:学習するテーマをいくつかの要素に分け、各メンバーが異なる要素を担当する。
3,エキスパート活動:同じ要素を担当するメンバー同士で集まり、参考資料やディスカッションを通じて理解を深める。
4,ジグソー活動:元のグループに戻り、それぞれが学んだ内容を共有する。この際、ポスターやプレゼン資料を作成すると理解が深まる。
ただし、実際に授業を展開するうえではこれだけでは不十分であることが多いです。
そのため、私は以下の展開で授業を展開することが多いのでぜひご確認ください。
教科ごとの活用例
- 国語:
- 文学作品の登場人物ごとに視点を分け、それぞれの立場から作品を考察する。
- 古文や漢文の訳を分担し、全体で内容をまとめる。
- 数学:
- 異なる解法を学び、それぞれの解法の特徴や適用場面を共有する。
- 図形問題を分担し、それぞれの証明方法を検討する。
- 英語:
- 長文読解のパートを分担し、それぞれの内容をまとめて要約する。
- 英文法のルールを分担し、例文を用いて説明し合う。
- 理科:
- 生物・化学・物理の異なる分野のトピックを分担し、関連性を考える。
- 実験の手順を分担し、それぞれの結果をまとめて考察する。
- 社会:
- 歴史・地理・公民の異なる観点から一つの時代背景を分析する。
- 地域ごとの産業や文化を分担して調査し、まとめる。
ジグソー法のメリット
実際にジグソー法はどのような教材の際に行うかが重要なポイントです。
私の場合には単元が長いときによく使用します。
例えば、中学国語の「走れメロス」はボリューム量も多く、1つ1つ読解しても間延びしがちです。
こうしたときに私はジグソー法を使用するようにしています。
また、ジグソー法の最大のメリットは、「教員がほぼ解説をしない」という点です。
先ほどの図のように、私の場合には、最終的に代表者が全体の前で共有する時間を設けていますが、そこで補足説明をする程度です。
そうすると、子供たちには「教員がほぼ解説をしない」程度まで議論を深めること求められます。
この深さこそ最大のメリットだと感じています。
ジグソー法のデメリット
一方で、ジグソー法には以下のようなデメリットもあります。
- 学習の進度に差が出る:学習者の理解度にばらつきがあると、情報の共有がうまくいかない場合がある。
- 発言が苦手な人には負担が大きい:人前で話すのが苦手な人にとっては、プレッシャーを感じることがある。
- 適切な準備が必要:事前に適切な教材を準備しないと、学習効果が薄れてしまう。
- 間違った情報が広がる可能性:理解が不十分なまま情報を共有すると、誤った知識が広まることがある。
- 一部の学習者が積極的に参加しない可能性:グループ活動のため、消極的な生徒が十分に学習に参加しないことがある。
- 教師の管理が必要:進行の管理が難しく、効果的な学習になるように指導者がしっかりとファシリテーションを行う必要がある。
理想をいえば上記のデメリットは上手く教員の力量でどうにか導きたいところですが、現実的には難しい場合もあるでしょう。
なので、先ほどの図のように私の場合には「代表者」が「クラス全体の前」で共有する場を最後に設けて、補足説明をすることで全体としては一定の水準を担保するようにしています。
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