【卒論・修論】具体例つき!研究テーマの決め方|300件以上指導してわかった成功のコツ

これまで卒論・修論の研究テーマを300件以上指導してきました。

「テーマが決まらないまま締切が迫ってきた…」
「何を研究すればいいか、そもそも研究って何?」

この記事では、卒論・修論の「研究テーマの決め方」について、指導の現場で繰り返し伝えてきたポイントを、できるだけわかりやすく整理していきます!


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まず最初に:ありがちなNGパターン

学生から出てくるテーマ案で最も多いのが「○○を考察する」「○○を分析する」といったものです。

たとえば:

  • 「SNSと若者の関係を考察する」
  • 「教育におけるAIの活用を分析する」

こういったテーマは、残念ながらそのままでは研究になりません。
理由は簡単で、考察や分析は“手法”であって、“目的”ではないからです。

研究というのは、「何を明らかにしたいのか」があって初めて成立します。

「考察する」や「分析する」は使いやすい言葉なのですが、結局はそれらの言葉でぼかしているだけで、具体的になにを明らかにするかが見えないからこそ先に進まないということが多々あります!


大事なのは「何を明らかにしたいのか」

研究テーマを立てるときにまず意識してほしいのはこの1点です。

「自分は、この研究で何を明らかにしたいのか?」

この問いに答えられない限り、どれだけ資料を読んでも、立派な研究にはなりません。

逆に、「○○を明らかにする」という表現に置き換えられるテーマなら、それは研究として成立する可能性が高いです。


研究とレポートの違い

ここで一度、研究とレポートの違いを整理しておきましょう。

  • レポート:既存の情報を整理してまとめる
  • 研究:まだ明らかになっていないことを明らかにする

つまり、「新しい問い」に「自分なりの答え」を出すのが研究です。
それがなければ、いくら文献を読んでも、それは単なる情報のまとめ=レポートです。


テーマ決定の2つのポイント

①「それ、すでに明らかになってないか?」

テーマを思いついたら、まず「その問いはすでに誰かが明らかにしていないか?」を確認してください。
すでに研究され尽くしているテーマでは、“新しさ”がありません。研究とは言えません。

ただし、次のような場合には研究になります:

  • 同じテーマでも「異なる視点」で見る
  • 「新しいデータ」や「新しい方法」でアプローチする

②「テーマが壮大すぎないか?」

よくある失敗は「テーマがでかすぎる」こと。
たとえば:

「国語教育におけるAI導入を検討する」

このテーマ、よく出てくるんですが、ほぼ確実にNGです。
なぜかというと:

  • 「検討する」は目的ではない
  • 「国語教育」も「AI」も範囲が広すぎる

テーマを具体化するプロセス(例つき)

上記のダメなテーマを、研究テーマとして成立するところまで具体化してみます。

  1. まずは「明らかにする」に直す
     →「国語教育でAIが活用できるかどうかを明らかにする」
     → まだ広い。
  2. さらに具体化する
     - 教科:国語教育 → 作文指導に限定
     - 学年:高校3年生
     - AIの種類:ChatGPT
     - 活用方法:志望理由書の素材提供
  3. 研究として成立する形に整える
     →「高校3年生の志望理由書作成において、ChatGPTが作文の素材提供として有効かどうかを明らかにする」

このレベルまでくれば、研究として成立します。テーマが具体的になれば、何を調べるべきか、どう調べるかも見えてきます。


まとめ:研究テーマは「問いの質」で決まる

研究テーマは、思いつきやセンスではなく、「問いの立て方」で決まります。

  • 「○○を明らかにする」になっているか
  • すでに答えが出ていない問いか
  • 自分の手に負えるスケールか

これらを一つひとつチェックしながら、テーマを磨いていきましょう。


テーマに悩んでいる方へ

研究テーマは、ひとりで悩んでいてもなかなか具体化できません。
「自分のテーマ、これでいいのか?」と思ったら、気軽にご相談ください。
指導経験から、現実的で、あなたに合ったテーマを一緒に見つけるお手伝いをします。

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