先日、京都アニメーション放火事件の犯人である青葉真司被告の死刑の判決が確定しました。
しかし、世界を見渡すと「死刑」制度があるのは実は少数派なのは知っていましたか?
小学生の時に悪さをした子に向かって冗談で「お前死刑な!」なんて言っている人は見かけたことはありませんか。
そういった意味で「死刑」というのが身近なのは世界でも実はむしろ少数派なのです。
今日はこの死刑制度から少し考えてみましょう!
京都アニメーション放火事件とは?
2019年7月18日、京都アニメーションというアニメを作る会社の建物が火事になりました。この火事は誰かがわざと火をつけたことが原因で、36人の人が亡くなり、32人がけがをしました。
火をつけた青葉真司被告はガソリンを持って建物の中に入って火をつけたと言われています。
その際に青葉真司被告も意識不明の重体となり、生死をさまよいました。
この際に、治療する人たちは「犯罪者を救う」という葛藤をしたということも報告されています。
みなさんが医者や看護師なら青葉真司被告を心から救いたいと思えますか?
どうしてこんなことをしたの?
青葉真司被告は、「自分のアイデアを盗まれた」と言って怒っていたそうです。
でも、調査の結果、そんな事実はありませんでした。
青葉真司被告の裁判
この事件を起こした青葉真司被告は、2023年12月に裁判で死刑判決を受けました。
青葉真司被告は最初、裁判の結果に不満があったようで控訴(もう一度裁判をしてもらうお願い)をしていました。
でも、先日その控訴を取り下げると発表しました。控訴を取り下げると、今までの裁判の結果がそのまま確定します。
つまり、青葉真司被告の死刑が確定したということです。
なぜ死刑制度がある国とない国があるの?
死刑制度については、国によって考え方が違います。
この違いには、歴史や文化、宗教が大きく関係しています。
例えば、キリスト教の中には「殺してはいけない」という考えが強い教えがあります。このため、ヨーロッパの多くの国では死刑制度が廃止されています。一方、イスラム教の国では、宗教の教えに基づいて厳しい罰を与える文化があるため、死刑が残っている国もあります。
また、死刑を廃止した国の多くは、「人を罰するために命を奪うのは間違っている」と考えています。その代わりに、終身刑(その人が一生刑務所で過ごす刑)を使うことで社会を守ろうとしています。
日本に死刑制度がある理由
日本では、死刑制度が今もあります。その理由の一つは、「犯罪の抑止力になる」という考え方です。死刑という厳しい罰があることで、人々が重大な犯罪を思いとどまるのではないかと言われています。
みなさんは実際に死刑制度がある国のほうが犯罪率が低いと思いますか?
実際、死刑が犯罪を完全に防ぐわけではありません。
例えば、犯罪率が低い国の一つであるノルウェーでは死刑制度がありませんが、再犯率がとても低いです。
さらに驚くことに、ノルウェーの刑務所はとても「快適」なのです。
ノルウェーの刑務所はどうして快適なの?
ノルウェーの刑務所は、受刑者が社会復帰しやすい環境を整えることを目指しています。
日本ももちろん社会復帰の環境を整えているものの、まだまだ罰を与える側面が強いです。
ノルウェーの場合には部屋は清潔で、ベッドや机、テレビまで備え付けられており、受刑者が安心して過ごせる空間が用意されています。また、教育プログラムや仕事の訓練が充実しており、受刑者が新しいスキルを学べるようになっています。これにより、刑務所を出た後に仕事を見つけやすくなり、再び犯罪を犯すリスクが減るのです。
再犯率は下がるかもしれないとなったらやはり日本の刑務所も快適にすべきなのでしょうか?
死刑制度がある他の国は?
日本以外でも死刑制度がある国はいくつかあります。たとえば、アメリカ、中国、イラン、サウジアラビアなどが挙げられます。
アメリカでは、州によって死刑制度があるかどうかが異なります。例えば、テキサス州では死刑判決が多い一方で、カリフォルニア州では死刑が事実上行われていません。
中国やイランでは、犯罪の種類によっては死刑が適用される場合が多く、死刑執行の数も多いです。特に、中国では正確な執行数は公開されていませんが、世界でもトップクラスとされています。
死刑については、いろいろな考え方があります。
「罪を犯した人に厳しい罰を与えるべきだ」という意見もあれば、「どんな理由があっても人の命を奪うのは良くない」という意見もあります。
死刑が必要かどうかは、とても難しい問題です。
ぜひみなさんもこの難しい問題について一度考えてみるきっかけにしてみてください。
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