現役教員が私立と公立の給料について徹底解説します

よく問い合わせで「私立の教員って給料良いのですか?」と聞かれます。

結論、「学校次第」です。

あたりまえなのですが、これって「不動産業界って儲かりますか?」と同じ類の質問です。

結論、会社によりますよね。

私立でも正直公立よりも悪い給料の学校もたくさんあります。

そこで、本記事では、「私立」と「公立」のそれぞれの給与事情について実体験をもとにしながら詳しく解説します

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私立と公立の教員の給料の違い

私立の教員の給料:学校によって大きく異なる

私立学校の教員の給料は、学校ごとに大きく異なります。

経営が安定している名門私立校であれば、30代で年収1000万円を超えるケースも珍しくありません。

私の学校では特に役職がつかなくとも30代で普通に1000万を超えます

一方で、財政的に厳しい私立校では公立よりも給料が低いこともあります。

私立の給与例(それなりに経営が安定している私立校の場合)

新卒(22歳):年収約400万~500万円
30代:年収約700万~1000万円
40代:年収約1000万~1200万円
50代:年収約1200万~1500万円

ただ、正直ピンキリだと思っています。

私が新卒で入った学校のエピソードを話したいと思います
その学校は経営は安定していませんでした。
私立だと主な収入源は「学費」と「受験料」なのですが、その学校は定員割れはしないけれど、よほどのことがない限り入学はできる、そんな学校でした。
それでも初任給は400万なので、異常に悪いわけではありませんが、ここに住宅手当などはなかったので、諸々込みで公立の福利厚生込みの額には負ける気がします。
そしてなによりも私が愕然としたのは、給料が昇給しないということです。
割と評価をもらっていたのですが、それでも年間で2000円ほどの昇給でした。
他の人は100円なども普通でした。
そう考えると、10年後で2万円の昇給、、、いや無理だろうということで他の学校に移りました
さらに細かくいうと、最終年は教務主任と学年主任と担任を兼務していました。しかし、それでも給料は500万弱でした。)

今の勤務校では、ありがたいことに1000万ほどいただいております。

また、残業代も残額支給されるので少しでも授業準備や部活などで定時を超えれば1分単位で残業代がでます。当然、残業代も給与に比例しているので1時間も働けば4000円ほどが追加支給されます。

(私は残業をしないのでその恩恵は受けていませんが、、、笑)

ただ、正直待遇は良い方の私立学校なので、倍率も高かったと聞いています。

実際、私が受けた年では倍率は100倍を超えていたと聞きました。

なのでまず新卒での採用はありません。大卒での採用もありません。それなりにこれまで教育の実績を残した人もしくはスカウトでの採用が主なものになっています。

公立の教員の給料

公立学校の教員の給料は、自治体の給与体系に基づいて決められています

そのため、地域による差はありますが、一定の安定性が保証されています

公立教員の給与例(東京都の場合)

新卒(22歳):年収約350万~400万円
30代:年収約600万~700万円
40代:年収約750万~850万円
50代:年収約850万~1050万円


公立の教職員として働く最大のメリットは、安定した給与体系が確保されていることです。

給与は年功序列に基づいて着実に昇給し、長く勤務すればするほど収入が増える仕組みになっています。また、定年までの雇用が保証されており、解雇のリスクが非常に低いため、安定した職業生活を送ることができます。

ただ、正直私立も年功序列感はありますし、実力が無くて解雇された専任教諭(いわゆる正規採用の先生)は正直見たことがありません。ただし私立の場合には常勤の先生(非正規雇用の先生)は予定通りの年数で基本的に切られます。

公立は、私立のように年収1000万円を超えるのは50代の管理職程度の印象です。

加えて、残業代は時間に応じた支給ではなく、「教職調整額」として給与に一律で組み込まれているため、実際の労働時間に見合った報酬とはならない場合があります。

ちなみに私立の場合には部活動手当が支給される場合もあり、私の学校は年間で30万ほど支給されます

私立と公立の教員の給料を比較すると、私立は学校によって差が激しく、高収入を得られる可能性があるものの競争率も高い。一方、公立は安定して稼げるが、大幅な昇給は期待しにくい。それぞれのメリット・デメリットはあると思っています。

また、私立のひどい学校にいくと、経営が安定しないので教員が異常に辞めます

そして質の良い教員ほどすぐに待遇の良い学校へいきます

ただ、正直なかなか最初から待遇の良い学校で働くのは難しいです。

基本的には「待遇の悪い学校」で実績を残すことで「待遇の良い学校へいく」のがメインルートです。

私立の待遇の悪い学校であれば、教員の質はよくないので、極論あなたが優秀ならばすぐに仕事を任されます。

実際私も教員4年目で教頭の次に偉いポジションにいましたし、自由に教育活動を行えるので実績も重ねました。

なので今の学校に採用されることができました。

もし高給を目指すならば、「待遇の悪い私学で実績を重ねる」→「有名私学に移る」が一番現実的なルートです。

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