今日はインターナショナルスクールについて書いていきたいと思います。
インターナショナルスクールとは、簡単にいうと
外国人を中心とした、主に英語を使い、外国の教育プログラムで成り立っている学校
のことです。
これまで、私はインターナショナルスクールに通った生徒をたくさん見てきました。
その中で感じた、インターナショナルスクールに通う事のデメリットを説明していきたいと思います。
1.国内進学を考えている場合は不利益が多い
インターナショナルスクールはあくまで外国の教育プログラムが行われます。
これは文科省の教育プログラムではないので、日本の教育を受けたことにはなりません。
つまり、日本国内の卒業資格を得られません。
すなわち、もし、国内の高校受験、国内の大学受験を考えた場合、日本の国内の高卒認定試験などが必要になる場合があります。
ただ、もし国内の進学を考えている場合はそもそもインターナショナルスクールを通わせるべきではないと思います。
あえて海外の教育プログラムを選んだのに、最終的に目指すのは日本の高校や大学(つまり日本の教育プログラム)というのは何か矛盾していませんか。
教育は根本的なところをみると、そもそも社会へ出るためのものです。つまり、日本社会に出るために必要なことを日本の教育プログラムは重視しています。
インターナショナルスクールもその教育プログラムの元(アメリカのプログラムならアメリカ社会)で活躍するようにプログラムが組まれています。
なので、将来日本で働く予定なのに教育プログラムだけは海外というのは本人にとってもデメリットでしょう。なぜなら、受けてきた教育プログラムの目標と日本社会の求めるものが違うからです。
2.学費の高さ
インターナショナルスクールに通う場合、少なくとも年間で100万〜200万もの費用がかかってきます。
もし、公立の場合、この額を他の習い事にあてることもできるでしょう。
英語力の向上だけを目的にする場合は、年間でこの額を他の英会話教室に当てれば間違いなく英語力に関しては同様の効果を得られるでしょう。
また、夏休みといった長期休みに短期留学させても英語力に関しては同様の効果を得られると思います。
3.必ずしもバイリンガルになるわけではない
インターナショナルスクールに通わせる大きな目的の1つは「英語力」の向上でしょう。
しかし、必ずしもバイリンガルになるわけではないのです。
私は、何人ものインターナショナルスクール出身の子どもを見てきました。
もちろんバイリンガルの子もいましたが、半数以上は日本語能力が低い子どもでした。
つまり、インターナショナルスクールは英語能力は高める時間がある分、それと同時に日本語能力を高める時間を奪っているのです。
それも当然です。なぜなら、日本語能力を高める機会は日常会話レベルでの機会しかないのですから。
また、もし親が英語をしゃべる事ができないのであればそれも問題です。
なぜなら、子どもは英語が一番得意な言語となるのに対し、親は日本語でしかコミュニケーションをとれないのですから。
大げさに言えば、親子のコミュニケーションのミスマッチが多く生まれていくのです。
大切なのは「将来どうしたいのか」
ちなみに、私はインターナショナルスクールに通わせることに賛成でも反対でもありません。
もちろんメリットに関しても記事を書いてありますのでもしよければみてください。
(内部リンク: 元教員が激白!インターナショナルスクールに通うことのメリット)
大事なのは、将来を見据えて通わせるかどうかを決定することです。
もし、子どもの将来にとってメリットが多ければ、通わせれば良いし、デメリットが多ければ考え直せば良いのです。
具体的に言うならば、「海外進学を考えていない場合」、もしくは、「英語力向上しか頭にない場合」はデメリットの方が多いです。
特に、英語力は大学以降で留学しても十分に身に付きます。むしろ、日本の教育で培える「勤勉さ」「ひたむきさ」「集団での適応」などを学ぶ機会を失う方がよっぽと不利益でしょう。
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