石川遼君のCMでおなじみのスピードラーニング。「聞き流すだけで英語がしゃべれるようになる」という夢のような教材ですよね。でも正直、「本当に?」と思うのが当たり前の感情だと思います。私も同感です。
なので、私は実際に2.3年ほど前に無料お試しCDを取り寄せて車の中で毎日聴きました。英語はもとから割としゃべれるほうだったので、目的としては「英語教育」としてスピードラーニングは使えるかどうか、という目線です。
結論からいうと、基本的にはこれでは英語をしゃべれるようにはなりません。断言します。ただ、ある一定の条件を満たしている人に限ってはしゃべれるようになる可能性は高いと思います。その条件とは、①小学生以下の子ども、②すでに日常会話程度には英語を話すことができる人、のどちらかです。それぞれ説明していこうと思います。
①小学生以下の子ども
スピードラーニングのいう「聞き流すことで英語を習得できる」というのはある意味正解であるのは間違いありません。それは、私たちは母語の習得過程の始まりが「聞くこと」だからです。
私たちは誰しもが赤ちゃんの時に①たくさん周りの日本語を聞き、②それを覚えて少しずつしゃべりだし、③絵本等の言葉を読めるようになり、④幼稚園卒園ぐらいから文字をかけるようになっていきます。
つまり、①リスニング(聞く)、②スピーキング(話す)、③リーディング(読む)、④ライティング(書く)、の順で言語を学んだのです。
以上のことを踏まえると、聞くことは英語をしゃべれるようになることにつながるのです。
しかし、これには1つの大きな隠された事実があります。
それは、「臨界期」というものがあるからです。
「臨界期」とは、第二言語習得において生まれてから10歳〜12歳ぐらいまで(小学生)であれば習得しやすいというものです。
スピードラーニングは「臨界期」を隠して、「ただ聴くだけであたかも誰しもが話せる」と言っている点は我々は考えていかないといけません。
②すでに日常会話程度には英語を話すことができる人
英語を日常会話程度に話せるのであれば、ある程度文法の理解なども感覚的にできていると思います。そうすると、今後必要なのは、実際に色々な場面で英語を使って話してみることです。
スピードラーニングではたくさんの場面が設定されて、さまざまな会話を聴くことができます。なので、自分がそのCDの人物になった気持ちでしゃべる練習をする(つまりトムとエリックの会話であれば、自分がトムになった気持ちで、エリックと会話する)のはものすごく力が付くと思います。また、内容も実際に日常で使いそうな場面設定なのでそこはスピードラーニングの優れている点でしょう。でも、正直他の教材でも事足ります。
*結論
スピードラーニングは残念ながら①小学生以下の子ども、②すでに日常会話程度には英語を話すことができる人、のどちらかであればある程度の効果は期待できます。しかし、多くの人がこれにはあてはまらないので、スピードラーニングは基本的におすすめしません。
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