今日は特段時事ニュースがないので、少し子供とやりとりしながらホームルームを進めていきましょう。
ある人がこんな話をしていたんだ、こんな記事をみたんだ、なんていう形で私のエピソードを子供達に紹介いただいて構いません。
発展途上国でよくある「one doller!!」
発展途上国を旅していると、よく「one doller !! 」(1ドル!!)と話しかけられることがありました。
特に観光地には多く存在します。どういう意味か、それは1ドル頂戴と言っているわけです。
もし小さな子が「one doller!!」と話しかけてきたらみなさんはどうしますか??
1ドルといえばおおよそ140円程度、
求めてくる子供はおおよそ毎日の食事もたどり着けるかどうかの状態の子たちです。
もしあなたが1ドルをあげたなら、その子は喜んで今日のご飯を食べられるでしょう。
さぁ、どうしますか??
その1ドルの行方を考えてみてほしい
私は発展途上国を中心にこれまで何十カ国と訪れたことがあります。
昔、カンボジアに日本語を教えに行っていたこともありますし、フィリピンの孤児院でストリートチルドレンたちと少しだけ生活もしました。
そんななかで、この1ドルのことを聞くことがありました。
観光地などで1ドルを求めるのは、「幼い子供」ばかりです。
それはなぜか?
子供のほうが「もらいやすい」からです。
でも同じぐらい大人も貧困している状況にあります。大人だけお金があってその子供は貧困、なんてことは冷静に考えるとありません。子供の数だけ大人もきっと貧困の人がいるはず。
そう考えると少しみえてくるものがあるでしょうか。
その1ドルを得た先には、実は大人が回収していたのです。
裏路地に戻った子供は大人にお金を渡していました。それが親ならまだ救われるのかもしれませんが、そうではなく、搾取する大人であることも多々あります。
そうすると、1ドルをもらうための道具として子供が扱われていることになります。
改めて、1ドルは渡すべきなのでしょうか?
1ドルでだれが救われるのか
でも、もし、子供に誰も1ドルを渡さなかったらその子供は間違いなくご飯は食べられません。
1ドル渡せばもしかすると裏の大人がほぼ持っていくかもしれませんが数セントはくれるかもしれません。
そしたら、ご飯を食べることができるかもしれません。
そしたら明日も生きることができるかもしれません。
フィリピンでよくあるのが食中毒による死亡事故。
食べるものがなかった子供達は人々が捨てたゴミを漁り、そこにある腐っているような食べ物を食べて慢性的な下痢に悩まされています。そして、最悪の場合には亡くなります。
だから、1ドルがあれば生きられるかもしれません。
みなさんは1ドルをあげますか??
なぜ子供をつかうのか
なぜ大人は子供をつかって1ドルを得るのか、それは大人も生きるためです。
大人が「1ドルほしい」と言ってもなかなかもらえません。
だから子供を使うのです。
そもそも、「ユニセフなどの募金」、呼びかけるCMやポスターはどんな人が写っていますか?
大抵が、子供です。もしくは弱い女性。
少なくとも、大人よりも子供のほうが「1ドルもらえる」のです。
1ドルを子供にあげる弊害
1ドルをあげると大人は「あ、やっぱ子供を使えばもらえるんだな」と思います。
そしてまた子供を使います。
その結果、子供たちは学校にいく時間がありません。
学校に行かなくてはなかなか仕事につくことができません。
そして自分が大人になって、今度は子供たちから搾取する立場になるしかないことになるかもしれません。
何が正解かは自分で決めたら良いのかも
ちなみに、私は1ドルをあげないようにしていました。
理由は大学院時代にもこういった発展途上国の教育事情を研究していて、貧困のメカニズムをそれなりに理解したつもりだったからです。
しかし、数年前に訪れたフィリピンで、現地でボランティア活動を何年もし活躍されているある日本人の方とお仕事した際に、その人が1ドルをあげていたのをみました。
当然その人は貧困のメカニズムを理解しています。
なぜ渡すのか聞いたところ、「目の前の子をほっておけなかったから」。
私も信念をもって「渡さない」としていました。多分正論なのだと思います。
でも「目の前の子をほっとけない」は正論を超えたなにかがあるようにも思いました。
多分、「1ドル渡さない」は論理的には正解です。
しかし、その論理でもしかしたら数十年後に生きる子供を救えるかもしれませんが、目の前の子供は来週死ぬかもしれません。
むしろ、1ドルをあげて目の前の子を助けたいとおもう社会のほうが、正解なのかもしれません。
改めて、みなさんは1ドルを渡しますか?
今日は私の経験談をもとに子供達に考えさせるようなものを紹介しました。
こういった内容の引き出しはたくさんあるので、もしよければコメントやメッセージいただければこういう記事も増やしたいと思っています。みなさんが興味あるようなもの、役立つものを発信できればと思います。
それでは今日も良い1日を!!
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